@article{oai:nagoya-wu.repo.nii.ac.jp:00002151, author = {南川, 幸 and ミナミカワ, ミユキ}, journal = {名古屋女子大学紀要. 家政・自然編, Journal of Nagoya Women's University. Home economics・natural science}, month = {Mar}, note = {P(論文), "近年,日本文化の起源に関する研究がいろいろの角度から論じられているが,その一つに照葉樹林文化論(1966)がある.これは他の民族文化の中核をなすものとしての日本語の成立と日本文化を構成する諸特徴の形成等という民族学的な文化起源論にあるのに対し,それぞれの気候風土のもとで生活する民族の衣食住の様式,伝承等の民族学的な傾向,特徴などの生活文化的,或は生活科学的に多くの共通の文化要素が認められることに着目し,所詮,各民族はそれぞれの気候風土のもとで自然に適応して,同じ自然環境のもとで生育する植物,生息する動物など自然の恵みを受け,また,人口増加に伴い適季適作的に作物を栽培し,家畜を飼育して生活を維持し,そのなかでそれぞれ特有の豊かな文化の華を咲かせてきた.すなわち,夏雨型(Summer rain type)の湿潤暖温帯(moist warm-temperate distict)のうち,とくに東部アジアからビマラヤの山麓にわたって分布する植物の体表をおおう表皮細胞,または上皮細胞が外表面にむかって物質を分泌してつくる模様構造をもち,機械的と植物体を保護し内部からの水の蒸発を防ぎ,外部からの物質の侵入を調節するクテクラ(cuticle)組織が発達して葉の表面に光沢があることより照葉樹といわれる常緑広葉樹の生育する地域であることより照葉樹林帯(laurel forest zone ・ 独 : Lorbeerwald zone)と称する地域に居住する各民族間に共通する文化を照葉樹林文化とよんでいるように考えられる. これらの照葉樹林文化に関する調査研究が,最近になり大学の付属研究施設などが中心となって進められている.本学の生活科学研究所においては,矢作川・飛騨川などの水系単位で,或は北設楽など地方単位での生活科学的調査研究を推進,或はタイ国における海外調査などにおいて早くよりこの概念に近い内容の調査を実施し,その成果を広く公刊してきた.とくに多大の成果と評価を受けた海外調査に続いて,1980年以来,照葉樹林文化について調査研究が推進されてきた.すなわち照葉樹林帯域に属する中国の雲南・貴州・福建などの各省,韓国の済州島・台湾などをはじめ,国内における照葉樹林帯域に属する西南日本各地における衣食住に関する調査およびその基盤となっている自然環境などについて基礎調査を進めてきた.特に原始的文化の名残りを比較的よくとどめているといわれる照葉樹林帯域における少数民族といわれる人々の生活域を中心に文化生態学的な視点から調査が進められてきた.我々は今年度これらの照葉樹林文化域の中央域に位置する中国について,その地域に居住する各民族の生活基盤をなしている自然環境,なかんずく照葉樹林が自然公園的緑地僧侶修業の道場的環境として広大な境内自然林地に温存されている(中国科学院・植物園専門官)といわれる長江(揚子江・Changiiang)から東海(東中国海・Donghai)に至る,間の安徽省(Anhui)・江西省(Jiangxi)・浙江省(Zhejiang),一部福建省(Fujian)の各省の沿海海域から標高1,800~2,000 m までの地域の現存植生(actual vegetation)を概観すると共に,自然植生(naturalvegetation)の温存されている地方の森林植生について調査を行った.ここに中国における照葉樹林を構成すると推定される優占樹種(dominant tree)の生態及び形態の概要について記述をする."}, pages = {175--180}, title = {照葉樹林文化の基盤をなす自然環境(第2報)}, volume = {37}, year = {1991} }