@article{oai:nagoya-wu.repo.nii.ac.jp:00000862, author = {柏瀬, 愛子 and カシワセ, アイコ}, journal = {名古屋女子大学紀要, Journal of the Nagoya Women's College}, month = {Mar}, note = {P(論文), "音楽は人間の感じたこと,考えたことを,ことばという媒体よりも,ときには適切に伝えることができる「第二の言語のようなものだ」といわれる。第一のことばである言語の活動領域が未発連なこどもにとって,音楽することは自己主張のできる場となる。また人と人のつながり,コミュニケーションのはじまりともなる。わが国で従来行なわれてきた音楽教育は,情操教育,芸能教育という考えが強く支配し独特の教育となりがちであった。1965年,ブダペストで聞かれた国際音楽教育会議がきっかけとなり,「すべての人のための音楽」というモットーをかかげ,ハンガリーの音楽教育の変革をめざしてきたコダーイシステムや,創造的教育法として知られる,ダルクローズのリトミック教育法が世界的にクローズアップされてからは,わが国もこれに刺激され,音楽教育の変革につとめだしたのである。とくに幼児期から小学校低学年にかけての音楽指導は,いままで行なわれてきた教える方法ではなく,こどもの遊びの中から音楽性を引き出し,それを自然に伸ばしてやる方法をとることが,最も望ましいことと考えられるようになった。,また意図的に与える音楽も,こどもの感動を呼びさまし,創造性を大切にということが重視されるようになった。 そこで,本文では自然な指導として試みにリトミックとわらべ唄を取りあげ,実践を通しその効果を追求してみた結果とその考察について述べることにした。リトミックとは,人間の本能である「動き」と「音への反応」を利用し,こどもの身体運動 (リズム活動)を中心とした働きかけである。わらべ唄を音楽指導の出発点とする方法はうたうことを中心とした働きかけであり,民族音楽という財産の伝承をかねている。どちらも指導の方法には多少の違いがみられているが,その目的は,音楽教育の土台づくりすなわち「豊かな音楽性をはぐくみ,あらゆる音楽に対処できる素地を作るもの」と一致している。音楽教育はそれに直接関与する教師の肩にその責任がかかっている。こどもたちの発達のリズムと合った場が適確に用意されたとき,こどもたちはよりたくましい音楽性を身につけてゆく。教師はこどもの発達を促すのによいと思われる方法に対しては,自分の信念をもってあたらねばならない。ここに示したリトミックおよびハンガリー教育法は,一例にすぎない。今後,オルフシステム,ヒーザージェル運動など,国内外を問わず,よい教育法とされるものは実践を試み研究,考察を深め,われわれ音楽教育に携わる者の責務として,日本のこどもに最も適した音楽教育法を確立してゆきたい。"}, pages = {157--166}, title = {幼児の創造的表現力を育てる音楽教育}, volume = {21}, year = {1975} }