@article{oai:nagoya-wu.repo.nii.ac.jp:00000896, author = {柏瀬, 愛子 and カシワセ, アイコ}, journal = {名古屋女子大学紀要, Journal of the Nagoya Women's College}, month = {Mar}, note = {P(論文), "コダーイは,「音楽はすべての人のためのものである.その教育が,ある一部の特別な人にのみ行なわれるものであってはならないし,またどんな領域においても,人をして「名演奏家」に仕込むものではない.一般大衆が,音楽の良さがわかり,それを楽しむようでなくてはならない.」と常に述べ,音楽を愛し楽しむ手段として人々に勧めたのがうたうことであった.自らも,歌唱教材となる作品を多く作り,これを使ってこども達の教育にあたった.このコダーイの生みだしたうたうことによって行なう教育は,声楽の分野だけをしめるものではなく,器楽教育の中でも生かされるべきものである.ハンガリーの器楽教育で中心的役割を果たしているのは,国営の器楽学校である.そこで指導を受けている人の46%がピアノの学習者であると伝えられているが,この人達の練習課程をみると,初めの1年は肉声による音階練習の期間である.つまり,ピアノを志すものであっても,音に対しするどい感覚がもたれるように,うたうことによって訓練されるのである.次いで6年間にわたってあらゆるピアノ奏法に対する訓練がなされ,コースを終わる頃にはメンデルスゾーンの無言歌集やバッハの2声インベンシヨンが上手に弾きこなせるようになるといわれている.この間ピアノに触れるようになった1年目では,とり扱われる曲数はわずか5曲ぐらいといわれている.1つの曲であらゆるテクニックの勉強が行なわれ,音楽的想像がもたれるように指導されていく.また,曲を完全に自分のものにしきってしまうということも課せられているそうである.練習はただ多くの曲を弾きこなせるようにさせればよい,というものではない.弾く過程でどのような体験をさせるかということで基礎が身につくものであるといえよう.日本のピアノ教育では,依然として,百年以上を経た教則本であるバイエル,ツェルニーを利用されることが多い.こうした教則本を使ってレッスンするにしても,コダーイの理念に基づいたうたう指導と,あらゆるテクニックをもりこんだレッスンがとり行なわれたなら,手の動きに結びついた音のイメージを強くした奏法から脱してゆくのではないだろうか.現にコダーイメソードによって指導した2人の演奏は,他のどの子よりも音のひびきに生きたものを感じさせられた.また,いつも歌いながら楽しんで弾いている姿が見受けられる.今回は対象が個人レッスンの2名だけであったが,機会があれば幼稚園などのグループレッスンでコダーイ・メソードによる楽器指導の実践を試みてみたいと考えている.また,大学生に対する方法も研究してみたい."}, pages = {215--222}, title = {ハンガリー音楽教育(コダーイ・メソード)の研究}, volume = {22}, year = {1976} }